「Lady Marmalade」を歌う人にお願いしたいこと

どーでもいいことかもしれないし、余計な御世話なのだが、毎回見るたびに気になっているので書いとく。もうずーっと言われ続けていることだとは思いますが。

「Lady Marmalade」は、女性数人で歌う時の定番といっていいほど、プロもアマチュアもよくコピーしている曲です。で、コピーする時に誰のヴァージョンを元にすることが多いかというと、最近では圧倒的にクリスティーナ・アギレラやピンクらがカヴァーしたヴァージョン、つまり、映画「Moulin Rouge」のサントラのヴァージョンを選ぶ人が多いようです。

なんでそれが分かるかというと、Aメロの歌い出しがこうだから。

"He met Marmalade down in old Moulin Rouge"

 

いまはほんとにこの歌詞で歌ってる人が多いです。
ライヴだけじゃなくて、ちゃんと録音された音源でもこれだったりする。

でも、ラベルのオリジナル・ヴァージョン(厳密にはEleventh Hourというグループのものがオリジナル)は、”Moulin Rouge"じゃなくて"New Orleans"って歌ってるんですね。ここがポイントなんです。

つまり、この曲はニューオーリンズの娼婦の歌なんですよ。しかも"Creole Lady Marmalade"ってことは、この曲の主人公はアフリカ系の黒人じゃなくて、褐色の肌のフレンチ・クレオール。だから"The colour of cafe au lait"だし、”Voulez-vous coucher avec moi"ってフランス語のフレーズがあるんです。

で、アギレラ版がなぜ”Moulin Rouge"って歌ってたのかというと、あくまでも「Moulin Rouge」という映画の中の設定だからなんです。だから、それ以外で”Moulin Rouge"って歌ってると、歌詞本来の意味が台無しになっちゃうんですよ。もちろん、映画の設定ではパリが舞台だから、それはそれで意味が通ります。でも、それはこの歌の設定じゃなくて、あくまでも映画の設定なんですね。


アギレラ版のアレンジはカッコいいし、便利なメンバー紹介機能もついてるからそれはそれでいいんですけど、せめて"New Orleans"って歌ってほしいなーと思ってしまいます。歌詞を書いたボブ・クリューにも、<「おふくろさん」騒動>じゃないですけど、許さないわよっ!(←そっちの気がある人なのでw)って言われちゃいますよ。まぁ、もう亡くなってますが。


そして、パティ・ラベル・ファンとしては、ラベルのヴァージョンも聴いてほしいです。だって、バックはアレン・トゥーサンにミーターズ(ジガブー抜きだけど)だぜ。まずこれを聴いてほしいし、”New Orleans”って歌うと、僕のようなうるさいオッサンに、お、わかってるね!って思われますw

ちなみに、この曲を歌うのがもっとも似合うR&Bシンガーは、フレンチ・クレオールの血が入ってるビヨンセでしょうね。ビヨンセってこの曲歌ってないのかな?
(※Youtubeに「Beyonce & Rihanna」と書かれたのが上がってますが、あれはビヨとリアーナの映像を使ってるだけで、音源はアギレラ版なので要注意)

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