11枚目 MARCHOSIAS VAMP「PLEASURE SENSATIONS!」(1987年)/個性派集団によるメロディアス・ロック

僕はイカ天ど真ん中の世代ですが、当時はあまり興味がなく、ほとんど見たことがありませんでした。しかし、マルコシアス・ヴァンプが出場したと聞いた時は驚きました。当時のマルコシは、インディーズの世界では既に実力が認められた、それなりに有名なバン…

ライヴ企画しました。当山ひとみ sings ”SEXY ROBOT” 3月7日 渋谷JZ Brat

当山ひとみさんのライヴを企画しました。普段のペニーさんのライヴは、持ち曲の中から様々なタイプの曲を演奏しますが、今回はCITY POP仕様、ダンサブルでメロウな曲を中心という企画性の強い内容でお送りします。これまでライヴではやったことがなかった曲…

10枚目 ZELDA「SHOUT SISTER SHOUT」(1988年)/ニューウェーヴからファンキーミュージックへ振れ始めた瞬間の偶然の傑作

バンドの音楽性は変わりゆくものとはいえ、正反対のベクトルに振れるということはそんなにあるものではないでしょう。ZELDAがサブカル文化系からダンサブルでファンキーなサウンドへ急激に振れていく瞬間の、偶然の傑作ともいえる作品がこれです。 ZELDAとい…

9枚目 PRINCESS PRINCESS「TELEPORTATION」(1987年)/自我を持ち始めたガールズバンドの最初から名曲だらけの本当のデビューアルバム

メジャーどころを続けましょう。プリンセス・プリンセスなんてどうですか。 プリプリはガールズバンド史上、最高の人気と売り上げを誇ったバンドです。しかし、熱心な音楽ファンの中には彼女たちを全く評価しない人も多いでしょう。よくある売れ線への否定だ…

8枚目 KATZE「STAY FREE」(1989年)/売れ線の音と硬派なスタンスが噛み合った瞬間

最近、布袋寅泰のライヴのバックコーラスをパーソンズのJILLとKATZEの中村敦が担当したことがニュースになっていました(注:2014年時点)。中村のヴォーカルの力強さはさらに増していましたが、その容姿は全盛期とはかけ離れたものでした。それでも話題にな…

7枚目 ローザ・ルクセンブルグ「ROSA LUXEMBURG II」(1986年)/個性のぶつかり合いで短命に終わった名バンド

僕がローザ・ルクセンブルグを初めて聴いたのは、86年だったか、87年だったか、どこかのFM局で放送していた、当時、仙台で毎年行われていたロック・フェス<ロックンロール・オリンピック>の特番でした。曲は「在中国的少年」。ローザはその1曲しか放送さ…

6枚目 JAGATARA「ニセ予言者ども」(1987年)/音楽的成熟と共にアジーテーションを高めて行くJAGATARAの最高傑作

JAGATARAの代表作といえば、"暗黒大陸じゃがたら"名義のファースト・アルバム「南蛮渡来」を挙げる人が多いのではないでしょうか。しかし、好きな作品は?と聞くと、このアルバムを挙げる人が多いような気がします。江戸アケミが精神疾患から復帰し、活動再…

5枚目 筋肉少女帯「SISTER STRAWBERRY」(1988年)/日本のインディーロックの多様性を高度な次元と高度なテクで融合した傑作

この時代、パンクとメタルは水と油のような関係で、パンクがメタル化しようものなら、ものすごい非難を浴びました。ラフィン・ノーズ然り、GASTUNK然り。アーティスト側から見れば、そんなことを気にしてる人はあまりいなかったような気もしますが。メジャー…

4枚目 ZABADAK「飛行夢(そら とぶ ゆめ)(1989年)/上野洋子の才能が開花したアイルランド録音作品

80年代は男女コンビのアーティスト、というか、クリエイター・チームのような活動をしているアーティストが多かった印象があります。サロン・ミュージック、Dip in the Pool、そして、このZABADAKはその筆頭ともいえる存在でしょう。もっとも、活動開始時は…

3枚目 NEWEST MODEL「SOUL SURVIVOR」(1989年)/洋楽の教科書としてのミクスチャーロック

彼らの存在を知ったのは、メスカリン・ドライヴのお仲間バンドとしてだったので、おそらく88年頃。初めて聴いた時の強烈な違和感は、今も僕をこのアルバムに向き合わせます。つまり、当時洋楽をほとんど聴いていなかった僕に、洋楽を聴かにゃイカンと教えて…

2枚目 DEAD END「GHOST OF ROMANCE」(1987年)/魑魅魍魎とデミニッシュが蠢く異形のロックンロール

80年代後半はジャパメタが一世を風靡した時代で、王道から異端まで様々なバンドが存在しました。中でもDEAD ENDは一際特異な存在で、いわゆるメタルとは違った楽曲構造を持ち、魑魅魍魎だ妖怪変化だと歌う歌詞はまるでホラー映画といった感じで、現在だった…

1枚目 BOOWY「"GIGS" JUST A HERO TOUR 1986」(1986年)/ライヴ音源を大幅に加工し可能性を広げた名"ライヴアルバム"

第1回目は、いろんな意味で日本の音楽史上の転換点になったBOOWYから。 BOOWYが日本の音楽シーンで成し遂げたことの中で最も大きなものは、歌謡曲に迎合しないロックをメジャーな地点に押し上げたことでしょう。あくまでも熱心なファンのものだったロックを…

RADWIMPS「HINOMARU」はなぜ気持ち悪いのか

「HINOMARU」とは、もちろん日本の国旗のことだ。旗とは主張をシンボル化したものと言える。これが軍歌だとは思わないけど、日本的な美意識の中の極端に偏った感性で書き上げた感は否めない。偏っていると思わないというのなら、ナチュラルにそういった感性…

昭和歌謡とJ-POPと右傾化の関係

歌謡曲をわざわざ<昭和歌謡>なんて呼ぶようになったのは、90年代後半、当時の歌謡曲ブームの中で、UAの「情熱」なんかが歌謡曲っぽいと言われた頃からだと思う。 なぜ、あえて昭和といわなくてはならなかったのか。それは、歌の用途や歌に触れるメンタリテ…

曲がヒットしない原因は歌詞の長さなのか

下記の記事について、思ったことがあったので書いてみます。 citrus-net.jp楽曲に魅力がないというのはその通りだと思う。歌詞がどんどん長くなる傾向があることも確かだけど、歌詞が短ければヒットしやすくなるのか。本当に歌詞の長さが”ヒット"に関係して…

渋谷系とは何か〜図らずもその深層に迫ってしまったFBでのやりとり

Facebookに書いた記事なんですが、ソウル系の某大御所評論家さんからブログにしといた方がいいよといわれたので、移植しておきます。Facebookにはいろいろ書いてるけど、ブログはどうもおろそかになってしまうなぁ。問題になったのはこの記事。それに対し、…

安室ちゃん・・・

引退宣言してからファン増やしてどうすんだ・・・。

<「25歳からは女の子じゃない」資生堂、「セクハラ」批判CMを中止>のニュースに関して

このニュースに関して。 headlines.yahoo.co.jp びっくりするほどくだらないが、非常に重要なので書いておく。これ、「思考停止」と「言葉狩り」とネット時代ならではの「匿名の自己主張」がミックスされた、実に頭の悪い人たちの主張だなと感じる。まず、「…

【リポート】岩里祐穂 presents Ms.リリシスト トークセッション Vol.1 ゲスト:高橋久美子

8月27日に行われた、岩里祐穂さんのトークイベントに行ってきた。 近年は裏方の作家さんが前に出てきて、作家しばりのコンピレーションなんかもいろいろ出るようになってきたけど、その本人が中心になってイベントをやることってあまりない。そういう意味で…

「Lady Marmalade」を歌う人にお願いしたいこと

どーでもいいことかもしれないし、余計な御世話なのだが、毎回見るたびに気になっているので書いとく。もうずーっと言われ続けていることだとは思いますが。「Lady Marmalade」は、女性数人で歌う時の定番といっていいほど、プロもアマチュアもよくコピーし…

【雑談】ミソジニー発言〜日本会議は僕らの中にもいる、のかも

togetter.com このミソジニー発言を読んで思ったことを書いておきます。先に言っておくと、長いくせに結論のない、だからどーなのよって文章ですw 少し前に10〜20代の男女が9割という仕事の現場に入ったとき、男女間の意識の差がないっていうか、口調も含め…

実は響いてるのかも? 自民党のキャッチコピー

余談ですが。自民党のこのポスター。 「この道を。力強く、前へ」ってキャッチに対して、なにが言いたいかわかんないなどの声があるみたいなんですが。 実はこれ、一部の人たちにはものすごく響いてるんじゃないかという気がします。この前、別のところで書…

《参院選》なぜ<与党か、野党か>の2択が許されるのか〜有権者が主役の自分たちが暮らしやすい国を作るための選挙

大げさかもしれませんが、大事なことなので書いておきます。 というか、多少大げさに捉えた方がいい話です。 今回の参院選の実質的な争点は、誰が何と言おうと<改憲>です。自民党の改憲案では国の形が変わるんですから、どう考えてもこれを最優先に考える…

いつから男は旅立たなくなったのか - 「演歌・歌謡曲を応援する国会議員の会」問題Pt.2

「保育園落ちた」問題はまだまだ尾を引きそうな気配ですが、実はこれも「演歌・歌謡曲を応援する国会議員の会」の件と関連してくるんですよ。 www.huffingtonpost.jp www.huffingtonpost.jp これは演歌だけじゃなくて歌謡曲も含む話なんですが、<いつから男…

演歌は日本の<伝統>ではなく、ただの<流行歌>である。-「演歌・歌謡曲を応援する国会議員の会」問題Pt.1

あまりにアホらしかったんでスルーしようと思ったけど、自分でも演歌を振り返るいい機会なんで書いておく。 ろくに調べもしないで書いてるから、引用とかしないでね。 きっかけはこのニュース。 headlines.yahoo.co.jp この人たちのいう<演歌>ってものが何…

神の御名のもとに、何でも正当化できてしまう危うさ「ジーザス・キャンプ〜アメリカを動かすキリスト教原理主義」

2006年の映画なので今さらですが。「ジーザス・キャンプ」を見た。副題に<アメリカを動かすキリスト教原理主義>とあるように、キリスト教の宗派の中で極端なものの1つ、福音派による、子供たちを教育するサマーキャンプのドキュメンタリー。福音派は政治的…

ラッツ&ももクロ問題

ブログを引っ越して1発目の投稿です。まだまだ準備中。ぶっちゃけ、こんなに大きな問題になるとは思ってませんでした。しかし、これがインターネット時代の反応というやつでしょう。今回の件は、もともとはももクロとの共演によってラッツ&スター(シャネ…